アンサンブルから考察するピアノ

「ピアノはひとりオーケストラ」とよく言われます。

幅広い音域とメロディ・コード・ベース・リズムを同時にひとりで表現できることから、こうした比喩が用いられるのでしょう。

だからこそ考えなくてはいけないのがアンサンブルという問題。
コードやベースを同時にできるということは他の楽器の役割まで奪ってしまい、さらには邪魔になってしまう危険性を孕んでいます。

よくあるのが右手のコードがギターと、左手がベースとぶつかってうるさいという問題。

これにはバンドアンサンブルという視点から考察して対応しなければいけません。
他の楽器の人が何をしているのか?よく聴いて理解をすること。
そのうえで弾き方を工夫する努力が求められる楽器なのです。

アマチュアバンドでよく見られる現象ですが、ギターとピアノが同じ音域のコードとリズムでユニゾンしているような状態。これは音の塊ができるだけでうるさくて心地よくありません。

C(ドミソ)というコードを弾くにしてもギターとは違うポジションで弾いてみる。
リズムの刻み方を変えてみる。これだけでも聴こえ方は大きく変わります。

テンションノートを加えてみる。
9th・11th・13thなどを付け加えるだけでコード感の印象は大きく異なります。

ボイシングという点からコードを考えてみる。
コードのトップ音をどれにするか?たとえばCのコードをドミソと単純に考えるのではなく、ミソドあるいはソドミと考えて響かせ方を工夫する。

バンドアンサンブルを考えた場合、これらの対処方法があります。
ですがこれにははっきりとした正解がなく、ここが音楽の難しい点かもしれません。

ひとつだけはっきりとしているのは曲を壊さないこと。
ただ変化をつけたくてテンションを入れてしまうことで曲の世界観が台無しになってしまうこともあり得ます。
場合によっては「弾かない」という勇気も必要となってくるかもしれません。

簡単な説明で分かりづらいかもしれませんが、こうした問題は場数を踏んで経験したミュージシャンにしか解決できないと思います。

b laboの講師は約30年にわたる演奏活動の中で試行錯誤を重ねて参りました。
この経験から生徒さんの悩みを解決できればと考えています。

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