何気ない対話から気づきをサポート
先日レッスンが終わってから生徒さんと小一時間お喋りしました。
8月からボーカル教室に来ている40代男性です。
この方はもともと音楽に対して深い興味を持っていなかったのですが、大病を患ったことがきっかけで何かに挑戦してみたくなり当教室の門をたたきました。
ですから初心者としてわからないことがたくさんあるようです。
「ベースの役割がわかりません、何のために必要なんですか?」
実に素朴でいい質問ですね。
ボーカルやギターなどに比べると地味な存在のベース。
興味のない人には必要のない楽器かもしれません。
たとえば音楽をメロディとリズムで上下に分割して考えてみる。
基本的にベースは下部でドラムとともにリズムセクションとして支えながら同時に上部とのパイプ役をしています。
ギターやピアノなどのコード楽器は中間部で「色彩」の役割ですがこことも深く関わっている。
赤・青・緑といってもワインレッド・マリンブルー・黄緑などたくさんの色合いがありますよね。
色彩を強調したり決定するのがベースなのです。
ジャンルや曲調によってはベース抜きでは成り立たない音楽もたくさんある。
このことを理解してもらうためにマイケル・ジャクソンのスリラーを聴いてもらいました。
ベースの存在とリフがなければ成立しないことをすぐにわかってもらえました。
ほかにもボブ・マーリーのレゲエとかインコグニートのジャズファンクなどを聴いてもらったうえでジャコ・パストリアスも紹介してみました。
「無意識にベースの音に耳が傾く!」
これまで注意深くベースを聴いたことがなかった人が初めて意識づけられた瞬間でした。
ここが重要なポイント!
なぜジャコのベースに耳が傾くのか?その理由は卓越したテクニックよりもむしろ圧倒的なリズムの良さにあると思うのです。そしてこれはボーカルを含めすべてのパートにおいて大切なこと。
「良いリズムには自然と耳が傾く、そして何より心地よい」
私たちが実際のレッスンで一番伝えたいこと、ライブ活動においても大切にしているのはまさにこれなんです。
何気ない対話から疑問に答えるなかでこの生徒さんには確実に新たな発見があったようです。
「気づきをサポートする」講師の役割で大切なのはこれなんでしょうね。