音符はただの記号ではない、どう鳴らすかが大切
30年くらい前の話です、あるベテランの先輩ミュージシャンから「これ弾いてみろ」と言われました。ボブ・マーリーのNatural Mysticという曲です。ミ・ソ・ララの3つだけの音を使ったリフの反復でベース初心者でも弾けてしまいそうな簡単なものでした。
ほとんど何も考えずにただ音を羅列するように弾いていると先輩とのセッションが始まりました。
「まったくグルーヴしていない、この違和感はなぜ?」
30分くらい同じことを繰り返しましたがその日は違和感の正体がわかりませんでした。
レゲエのようにシンプルな音楽のなかで簡単なフレーズを弾く場合、ほんの少しの音の長さ・タイミング・強弱には細心の注意を払って弾かなければグルーヴなどしない。
これが後日わかった答えでした。
どんな音楽でも音符を記号のように捉えてはいけません。
何の音か?ではなくどう鳴らすか?
そして音楽にはジャンルや地域による違いがあります。言葉に訛りやイントネーションの違いがあるのと同様にクセが存在するのです。
とくに南米系の音楽はクセが強いので標準語に慣れ親しんだ人には大変です。
今となればこの時の先輩にとても感謝しています。
音楽の奥深さとリズムやグルーヴについて考えされられるきっかけとなりました。
結論としては「なめたらアカン!」ということ。
シンプルかつ単純なものほどごまかしがきかない、他者との違いを際立たせることが難しい。
サーカスのピエロが玉乗りしているような感覚がグルーヴであり、簡単そうに見えても非常に不安定なバランスの上になりたっているものです。
複雑な理論やフレーズを練習することも大切ですが、単純なことの中に答えを求めることも大切です。とくに表現力においては単純さをどこまで掘り下げるかに関わってくることでしょう。
楽器でも歌でも「どう鳴らすか?」と常に考えて日々習慣化しましょう。